リスクを踏まえて事前に計算を

このようにメリットが多そうな商品ですが、利用に際してリスクもありますので覚えておきましょう。

第一に、金利変動のリスクがあることを忘れてはいけません。変動金利型で契約した場合、金利が上昇すればそのぶん月々の支払額も上がります。1000万円借りて金利年3%なら毎月2万5000円ですが、1.3倍の3.9%になれば月々3万2500円に。

金利が上昇しても一定のゆとりを持てるように、借入額は慎重に検討することが大事。現状では取扱金融機関が少ないものの、固定金利型を選ぶのもおすすめです。

ほかに意識しておきたいのが、長生きのリスクです。この商品は契約者が亡くなるまで利息を支払い続ける必要があるため、長生きしたぶんだけ支払額は増えます。毎月の利息額が2万円でも、60歳から90歳まで30年間支払ったら720万円になるので、あまり早い段階で借りるのはおすすめしません。

ご夫婦で契約する場合、夫に先立たれたら妻一人で利息を支払い続けなければならない可能性があることも想定しておきましょう。

出費が増える先々のことを考え、夫が生きている間に繰り上げ返済をしたり、夫の死亡保険金を使って一括返済したりして負担を減らす工夫を。金利変動リスクも含め、自分一人が長生きしても無理なく支払い続けられるかどうか、事前に計算しておきましょう。


知っておけば安心!利用する際のチェックポイント

【Point1】
金利が上昇すると月々の支払額が増えるため、借入額はできるだけ少なく設定しておく
【Point2】
長生きしたり夫と死別したりすることを前提に、利息を支払い続けられるかシミュレーションをする
【Point3】
相続人に、「自宅や土地が相続できない可能性が高いこと」「死後手続きが必要になること」などを伝えておく
【Point4】
自宅の売却だけで元金を返済できない時のために、相続人が残った債務を返済しなくていい「ノンリコース型」を選択