(イラスト:ひしだようこ)
最近よく耳にする「リバースモーゲージ」。自宅を担保にお金を借りられるサービスですが、本当にメリットがあるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。住宅ローンに詳しい専門家に、その仕組みと活用のコツを聞きました(構成=山田真理 イラスト=ひしだようこ)

自宅に住み続けながら融資を受けられる

住まいの悩みは、年齢とともに増えていきます。「自宅が老朽化したのでリフォームや建て替えを検討したい。でも、老後の生活費やこれからかかる医療・介護費用としてある程度の現金は残しておきたいし……」という方も多いでしょう。

老後資金を残しつつ、リフォームや建て替えの費用を手に入れる。その方法の一つに、「リバースモーゲージ」という融資制度があります。これは、自宅を担保にして現金を借り入れるというもの。不動産は持っているけれど現金の蓄えが少ない高齢者を救済する手段として、世界各国で発展してきました。

現在日本で普及し主流となっているのは、2009年に登場した、満60歳以上が対象の「リバースモーゲージ型住宅ローン(【リ・バース60】)」。住宅金融支援機構(旧・住宅金融公庫)が民間の金融機関と提携し、リバースモーゲージの仕組みをもとに独自開発した商品です。

自宅を担保にすることで、そこに住み続けながら自宅のリフォームや建て替え・購入など「住宅に関する融資」を受けることができます(子どもと同居する二世帯住宅は対象外)。利息だけ払い続け、元金は契約者の死亡後に自宅の売却などで一括返済する仕組みです。

「定年以降は住宅ローンが組めないと聞いていたけれど、怪しい商品ではないの?」と疑われるかもしれませんが、どうぞご安心を。これはメガバンクから全国の地方銀行、信用金庫まで幅広く取り扱っている、安全性が高く信用できる金融サービスです。