(イラスト:ひしだようこ)
わが家が、もしも犯罪者に狙われていたら――。空き巣や強盗の次の標的は、あなたかもしれません。犯罪者を寄せつけず、安心して暮らすための防犯対策を指南します(構成=島田ゆかり イラスト=ひしだようこ)

住所はすでにバレている!?

個人宅を狙った凶悪な強盗事件がニュースになるたび、わが家は大丈夫かと不安になる方も多いのではないでしょうか。

警察庁が発表しているデータを見ると、特に65歳以上の方が強盗被害にあいやすいという結果が出ています。その理由に、高齢者は抵抗する力が弱いことが挙げられるでしょう。また、まとまった現金を自宅に置きがちなうえに、古い家に住んでいることが多く、セキュリティが甘いことなども理由として考えられます。

ここで疑問なのは、「なぜ、その家に高齢者が住んでいるとわかるのか?」ということです。 みなさん、通販や携帯電話などの契約の際に、個人情報を書く機会があると思います。実はそういった名前や住所、年齢などの個人情報は、知らないうちに流出し、出回っているのです。

なかには出身校や勤め先まで載っている情報もあり、「この家の住人は一流企業に勤めているのでお金がありそう」などと目星をつけられることも。残念ですが、情報の流出は避けられないものと認識したうえで、対策を練ることが大事です。

では、どこから始めればよいのか――。泥棒はどんな家に入る時も、必ず事前に下見をします。最近は、ストリートビュー(道路沿いの風景を写真で見られるインターネットのサービス)などで、現地に行かずとも家の周りを下見することが可能。いずれにしても下見の段階で、「この家は侵入しづらいな」と思わせるのがポイントです。

真っ先に泥棒が敬遠するのは、手入れが行き届いている家。庭できれいな花を育てていたり、こまめに掃除されていたりすると、「セキュリティがしっかりしているのかも」と感じさせるのです。

彼らが狙うのは、庭やベランダの草木が生い茂っていたり、壊れた自転車が放置してあったり、落書きがあったりする、「管理されていない家」。これらは「侵入しやすそう」と思わせ、標的になりやすいのです。