母の遺影や家族の写真は3階の部屋の明るい場所に。「いつも母がいるような気がしています」と山口さん

母の物もだいぶ整理しましたが、着物と桐箪笥は残してあります。かつての母の部屋は、母の遺影を飾った《祭壇》と私の着物部屋に。

以前は、私の着物は天井収納で、梯子を登らないと取り出せませんでした。足を踏み外したら危ないので、和服用の箪笥を買って帯や小物を収納しています。前は着物の準備をするのが憂鬱だったけれど、いまは「明日何を着ようか」と選ぶのも楽しい。家の中を整えることは心の安寧にも影響します。

私の服もだいぶ手放しました。1枚買ったら1枚処分、と定量を保つようにしています。でも母から譲られた着物や、昔自分が苦労してお金を貯めて買った物は捨てられないですね。うちには書斎というものはなく、3階にある私の部屋が仕事場であり寝室。本の資料、ベッドなどを一部屋にまとめています。

兄との2人の生活ですが、べったり面倒を見ているわけではありません。兄は、週3回人工透析に行って昼間はいませんし、1日おきに身のまわりの世話をしにヘルパーさんが来てくださる。週2回は訪問入浴を依頼。

多くの方の助けを借りて、私は仕事に集中できるのです。私に限らず、介護する人はなるべく介護サービスを活用して、自分の時間を作ったほうがいいと思いますね。

リビングの介護ベッドでテレビを観たりして過ごしている兄ですが、認知症状や体調には波があります。でも時々普通に言葉が出てくることもあったり。私は、兄に夕飯を食べさせたあと、このダイニングテーブルに陣取って、テレビを見ながら晩酌(笑)。一日の疲れをとる至福の時間です。