セロトニンとうつ病の関係性

もうひとつ、思秋期になるとホルモンの減少と同時に、セロトニンという神経伝達物質も減ってくる。これは俗に「幸せホルモン」などと呼ばれる物質で、精神を安定させ満足感をもたらすものだ。

このセロトニンとうつ病も相互に影響しあっており、うつ病患者には脳内のセロトニンの分泌量が少ないことが想定されている。

(厚生労働省「令和4年版自殺対策白書」より)

ここのところ2万人前後で推移しているが、日本の自殺者数は長年年間3万人を超えていた。これは交通事故で亡くなる人の6倍以上の数字である。年齢が高くなるほどセロトニンの分泌も減っていくため、自殺者数も増加する傾向にある。

40代では死因のナンバー2、50代では死因のナンバー3になっており、無視できない数字だ。つまり、思秋期のころに始まる「ホルモンバランスの変化」「前頭葉の萎縮」「セロトニンの減少」の3つをいかに抑えるかが、老化予防の最初の一歩になるのである。

●老化の連鎖をいかに防ぐかがカギ

 

※本稿は、『50歳の分岐点――差がつく「思秋期」の過ごし方』(大和書房)の一部を再編集したものです。

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50歳の分岐点――差がつく「思秋期」の過ごし方』(著:和田秀樹/大和書房)

50歳は人生の分岐点だ。体のなかでホルモンバランスが大変化を起こし、心身ともに大きな影響を受ける。この時期の過ごし方で、その先の人生はまったく違うものになるだろう。

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