釜石市鵜住居町につくられた震災祈念碑。「自らの命が助からなければ人を助けることができないから、必ず逃げて」といったメッセージが込められている(写真提供:Photo AC)
2024年元日から発生した能登半島地震によって、各地で避難生活や断水・停電・物資の不足が続くなど、不安な毎日が続いています。そこで、仙台在住で東日本大震災を経験した整理収納アドバイザー・阿部静子さんの記事から、非常時の対応にまつわる記事を再配信します。

********着なくなった服が押し込まれたクローゼット、本がぎっしり詰まった本棚、使わないお皿だらけの食器棚……。モノで溢れた家にうんざり、という読者も多いのでは。一方、これまでに6000人以上の受講生へアドバイスをしてきた阿部さんは「何があるかわからない時代だからこそ、人生の折り返し地点を過ぎたら片づけたもの勝ち」と断言します。その阿部さんが50代以上に向けて、お手軽片づけ術を伝授。今回は「外での災害対策」です。

災害は家にいるときに起きるとは限らない

仙台に住んでいる私は、東日本大震災時に震度6弱の揺れに加え、自宅が大規模半壊するという経験をしました。

その経験を踏まえ、本連載でも「片づけることが、時に家族の命を守る」と主張してきましたし、「備蓄」を前提とした、家の中の整頓方法なども考えてきました。ただし私自身、実は東日本大震災のもっとも大きな地震の際には、車で外出をしていました。

そこで、いつもの「片づけノウハウ」からは距離がありますが、経験を踏まえての外の備え、そこでの命を守る行動について考えてみたいと思います。

まずバッグの中の備えから。