組織が巨大になるほど、マネジメントは難しく
――日大と言えば、国内で最大の学生数を抱えるマンモス私学ですね。
日大の内情を詳しく知るわけではないので、あくまで一般論にはなりますが、当然のことながら組織が巨大になればなるほど、マネジメントは難しくなるはずです。日本大学は抱える学生数が日本一であることに加えて学部の数も多く、各学部のキャンパスが全国各地に分散して存在しています。その上、個々の学部が一般的な単科大学に匹敵する規模や伝統を持っていますね。それぞれの学部が抱える事情も、学生や教職員達の想いや悩みも多様でしょう。そのような事情もあり、日本大学では学部ごとに独立して物事を決定するような場面が、他大学に比べて伝統的に多いのではと思います。
加えて今回はアメフト部という、各学部からもまた独立した、競技スポーツ部という組織の中での不祥事ですね。学部よりもさらに、ガバナンスが届きにくい場になってしまっていたのかなと想像します。日本大学が多種多様な組織を抱える巨大組織だからこそ、こうした問題が起きやすかったのかと言えば……確かにその一面はあるかも知れません。
ただ、教職員が多くても問題がない大学はありますし、小規模でも学内で揉めてばかりという大学だってあります。経営状況が不安になれば、どんな大学でも様々な問題は発生するでしょう。教職員の規模よりも、リーダーシップやガバナンスのあり方、積み上げられてきた組織風土、そして経営状況などの方が、どちらかと言えば重要なのではないでしょうか。