世界に約400ある有料水族館のうち、150近くが日本にあるという。フォトグラファー・野辺地ジョージ氏が撮影する数々の被写体・シリーズの中で、最も古いのが水族館であり、少年時代の思い出をたどる「旅」だ。日本人にとっての水族館とは何なのか…写真と文で繙いていく
宮島の春の風物詩
2023年3月に通称「みやじマリン」、宮島水族館(広島県廿日市市)を訪れた。
当日は、たまたま2022年5月に生まれたスナメリの雄の赤ちゃんの名前、「ミハル」が発表された。
名前は公募によって決められた。母の名は「コハル」、姉は「チハル」。スナメリは小型のネズミイルカ科の哺乳類であり、瀬戸内海では多く観測される。
たまたま私が2019年の春に訪れた時も「セト」という赤ちゃんの名前が発表されたばかりだった。ある種の宮島の春の風物詩かもしれない。