「家事は主婦の一生の仕事」、そう思い込んでいたけれど──。環境や家族の“変化”がもたらした、心のゆとりと自由な時間はー。6人の体験談を聞きました(構成=武香織)

不満が爆発! 男たちの結論は……

もともと完璧に家事をこなさなければ気がすまない性格でした。でも、更年期障害で思うように動けなくなってしまったのです。次第に「私ってダメな主婦……」と自分を責めるようになりました。

夫と2人の息子は仕事が忙しく、「つらい」と打ち明けられない。かといって、3人が私の不調に気づくこともありません。もちろん家事を手伝おうとする素振りもありません。

1年も経つと、心身ともに限界。気づいたら、家族の前で号泣していました。「家事なんて、もうイヤ!」と。3人の男たちは目が点です。

すると、「ゆっくり寝ていなよ。俺らが手分けするから」と声を揃えるではありませんか。時には家族に弱みを見せ、素直に甘えることも大切なのですね。おかげで体調は徐々に回復しました。家の中も明るくなった気がします。

そうそう、男どもは家事の大変さを実感したのでしょう。お金を出し合い、ロボット掃除機と食洗機を買ってくれました。しめしめ、です。(笑)

(主婦・50歳)

 

汚れた鍋はもう洗わなくていい!

女手ひとつで育てた息子が、1年ほど前に結婚した。てっきり夫婦水入らずで暮らすのかと思いきや、同居したいと言ってくれたのだ。

3人での暮らしが始まったけれど、全員が働いているため、家事は分担制に。なんと私の担当は、大好きな料理をつくることだけ!

時間に余裕が生まれたうえ、以前は洗うのが面倒で使用を最小限に抑えていた鍋やフライパンも、汚れを気にせず使えるようになった。料理にだけ力を注げるので、自然と品数が増えていく。2人から「おいしい! 最高!」と、たくさん褒められて嬉しい限りだ。

忙しい日は「ご飯なし。よろしく」とメールしておけば、2人とも文句も言わず、適当にやりくりしてくれるので助かっている。

さらにありがたいのは、息子の妻が機械にめっぽう強いので、パソコンや家電の調子が悪くなってもあっという間に直してくれて、心強いこと。

おかげさまで、ワイン片手に映画鑑賞する至福の時間まで手に入れた。

(自営業・53歳)