孫のつくるお弁当に亡き娘の教えが

娘ががんで亡くなった後、孫娘は父親のもとで育てられていました。13歳の時、父親の再婚をきっかけに、祖父母の私たちと暮らすことに。

当初は、「この年齢で子育てのやり直しか」と複雑な思いでしたが、なんと孫娘は亡き娘にしつけられ、どんな家事もこなせる子に育っていました。

学校に持参するお弁当は毎日自分でつくり、クリーニング店を営む夫と私の分もついでに用意する。学校が休みの日は、「ゆっくりしていてね」と、掃除や洗濯を手伝ってくれるのです。

そんな孫娘を見て、つくづく実感しました。私が亡き娘に教えた家事が孫娘に受け継がれ、こうしていま、余暇をもらえているのだ、と。

夫が親から継いだ小さな店なので、娘を嫁に出した段階で誰も継いでくれないと諦めていました。しかし、このたび大学を卒業した孫娘が、「私が店を大きくする」と資格を取得したのです。現在、私たち老夫婦を手伝ってくれています。長いつきあいのご近所さんやお得意さんともども、大喜びしています。

(主婦・77歳)

 

3歳児が教えてくれたざっくり整頓術

几帳面なので、家の中が整理整頓されていないとなんだか気持ち悪い。そのため、3歳の娘にも片づけの方法を厳しく教えていました。「お絵かきグッズはここ」「お人形さんはここ」と、しまう場所も細かく分類。しかしまだ幼いので、うまく収納できません。

部屋に散らかるおもちゃを片づける毎日に嫌気がさし、ある日、きつく叱ってしまったのです。萎縮する娘を目の当たりにした瞬間、はっとしました。「これでは虐待だ」と。

それからは大きなケースを用意し、「全部ここへ放り込んでね」と伝えるようにしました。すると、いつも床を覆い尽くしていたおもちゃが、ひとつの箱の中へきれいに収まったのです。「手を抜いても美しく保てる」方法を、娘が教えてくれました。

そこで私も、文房具や調理器具などをカテゴリーごとに「ひとつの箱」へ。これが、めちゃくちゃラクなんです。

一番よかったのは、片づけに割く時間が減り、娘とふれ合う時間が増えたこと。子どもの笑顔も見られて幸せ!

(パート・44歳)