オペラ『夜の女王のアリア』を歌っていた子ども時代

人前で歌う楽しさを知ったのもタイにいた時でした。もともとうちの家族は全員歌が大好き。父がCDのコレクターだったこともあり、家には小比類巻かほるさんからオペラまで、ありとあらゆるジャンルのCDがありました。

なかでも私が惹かれたのが、オペラのアリア集です。幼いころから、家で『夜の女王のアリア』などを真似して歌っていました。小学校低学年の頃は工藤静香さん、Winkさんなど日本のアイドルも好きでしたね。

私がタイに行ったのは小学5年生の時でしたが、現地では日本人が経営するカラオケ店が大人気で、私も初めてカラオケで歌うという経験をしました。歌う私を見て、友達が「聖子ちゃん上手~! 今度はこれを歌って!」とか「次はあれを歌って!」と喜んでくれるのがものすごく嬉しくて、「歌手になりたい」という想いが強くなりました。

わが家は、私も姉(シンガーソングライターの新妻由佳子さん)も歌に関わる仕事をしているため、よく「ご両親も音楽関係の仕事を?」とか「どこかで声楽を学ばれたんですか?」と聞かれます。

でも父はメーカー勤務のサラリーマンですし、母は専業主婦。身近に芸能の仕事をしている人もいません。私自身ピアノは習っていましたが声楽を学んだことはなく、歌は現在に至るまで独学です。ただ父も母も歌が上手いので、何かしらの遺伝はあるかもしれないと両親に感謝しています。