リストの中身

たとえば次のような決断をするときに、そう決めたときのプラス面とマイナス面を列挙したりする。

・「仕事を辞める?」
・「恋人と別れる?」
・「この仕事のオファーを受ける?」
・「新しい車を買う?」
・「起業する?」

紙を1枚用意して、真ん中に線を引き、片側にプラス面、もう片側にマイナス面をリストにする。

この方法はとてもシンプルで、その点は私も気に入っている。だが、今では使うのをやめている。やめたきっかけは、最初に付き合った女性との関係がうまくいかなくなったとき、友人にすすめられてこのリストをつくったことだ。私は本当に、当時の恋人と別れることのプラス面とマイナス面をリストにしたのだ!

『まっすぐ考える 考えた瞬間、最良の答えだけに向かう頭づくり』(著:ダリウス・フォルー・桜田直美/サンマーク出版)

今から思えば、あれは恥ずかしい行為だった。それに、そもそもリストなどつくっても何の意味もない。たった1つの要素が、他のすべての要素を凌駕(りょうが)することは十分にありえるからだ。それに、問題が恋愛や結婚の場合、リストの中身はたいてい誰でも同じだ。

・関係を続けることのプラス面:人生の時間を一緒にすごす人がいる、セックスの相手がいる、一緒に旅行に行ける、など

・関係を続けることのマイナス面:自由な時間が減る、ケンカになる、相手の家族の問題、など

いつも同じ内容なのだから、リストをつくっても意味はない。嫌いな仕事を辞める問題でも同じだ。プラス面は、嫌いな仕事から自由になれること。そしてマイナス面は、将来が不確実になることだ。