インフォームド・ディシジョン

意思決定を向上させたいのなら、大切なのは知識をただ増やすことではない。私が学んだところ、役に立つのはやはりプラグマティズムだ。実用的で、中立的なものの見方が、よりよい「インフォームド・ディシジョン」、すなわち十分な情報を得たうえでの意思決定につながる。

残念ながら、「最高の意思決定」というものは存在しない。もしそれが存在するなら、誰もがつねに合理的で実用的な意思決定をする完璧な世界が実現しているはずだ。

私たちはえてして、何冊かの本を読んだり、研究論文をいくつか読んだりしただけで、すべてをわかったような気になってしまう。

問題は、どんなに知識をため込んだところで、やはり自分の頭は信用できないということだ。この事実を理解していれば、それだけでよりよいインフォームド・ディシジョンに近づくことができる。

たとえば私は、思考が行きづまっていることに気づいたら、認知バイアスのリストを見直すようにしている。これは簡単な方法であり、お金もかからない。インターネットで「認知バイアス」と検索すればいいだけだ。

たとえば、ウィキペディアの「認知バイアス」のページに載っているリストを見てみよう。どれも当たり前のことを言っているだけだと思うかもしれない。しかし、この「言われてみれば当たり前」というのが認知バイアスの特徴だ。人間は非合理的な生き物であり、認知バイアスはその非合理性を説明してくれている。

※本稿は、『まっすぐ考える 考えた瞬間、最良の答えだけに向かう頭づくり』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

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まっすぐ考える 考えた瞬間、最良の答えだけに向かう頭づくり』(著:ダリウス・フォルー・桜田直美/サンマーク出版)

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