恋愛感情は3年程度で冷める
実は脳科学的にも、ドーパミンが多く放出される興奮系の恋愛と、セロトニンやオキシトシンが放出される癒し系の結婚は、「混ぜるな危険」だと分かってきました。ドーパミンは脳にストレスがかかりすぎるからこそ、長続きしないようにできている。人類学者のヘレン・フィッシャー氏は、「恋愛感情は3年程度で冷める」ことを、脳科学的に立証しました。
そこまで分かってきたにも関わらず、世の中には「結婚するには恋愛が必要」という価値観がいまだにはびこっています。いまどきの若者にとって、それではハードルが高すぎる。恋愛のストレスや「重さ」を知る彼らにとって、しかも恋愛シミュレーションゲームなど代替コンテンツが豊富な現代にあって、現実の恋愛に、リスクを顧みず自ら飛び込んでいくのは非常に面倒くさいし怖いこと。
でも、その恋愛というハードルを乗り越えないと結婚はできないと思っているので、恋愛力や恋愛意欲の低い自分には無理だと、多くが諦めてしまうのです。
内閣府や国の第三者機関が実施した調査によれば「いずれは結婚したい」と答える若者は8割以上もいるのに、20~39歳の未婚男女で「一度も誰とも交際したことがない」人が、女性の約4人に1人、男性では約4割にも達しています。ただでさえ経済的に苦しいうえに、結婚の前に恋愛という大きな壁が立ちはだかっているせいで未婚化が進んでしまう。さらに、日本では籍を入れずに子どもを産む女性(いわゆる婚外子)が少ないので、婚姻率が下がることで、少子化もどんどん進んでいるのだと言えるでしょう。