結婚式の3ヵ月前にドタキャン

「恋愛結婚って素敵」「でも恋愛結婚は、後(結婚生活)が大変」――そんなアンビバレントな価値観を抱きながら大人になった私には、実は結婚式の3ヵ月前にドタキャンしたという黒歴史があります。(笑)

当時、私は28歳。仕事のイベントを通じて知り合った、かなりイケメンな男性とおつきあいをして結婚することを決めたのですが、結婚式の3ヵ月前に、彼が私に黙って仕事を辞めてしまった。その事実を知ったとき、「この人とは、たぶん生活していけない」って。

見た目も性格もいい人だったのですが、混迷の時代を生きる生命力や生活力、なにより私との信頼関係が築けなかったところに不安を感じ、結婚をキャンセルしました。式の招待状をポストに投函する直前でした。

このとき、改めて身に沁みたのです。結婚は山あり谷ありの「生活」であり、苦しいときには両者の「信頼」を築けなければやっていけないと。彼はよくも悪くもカッコつけで、私に弱みを見せたくなかったのでしょう。半面、冷静に考えれば、会社を辞めていたことが結婚後に分かれば、私や周囲から「なぜもっと早く言わないの?」と大きなトラブルになることは分かるはず。それなのに、彼は未来よりもいま、波風立てずに現実から目を背けることを選んだ。そんな彼との結婚生活は、たぶんうまくいかないだろうなと、直観的に感じたのです。