「人生に間違った決断はありません。私たちを心地よい気分にさせたり、不快な気分にさせたりする思考があるだけです」(写真提供◎photoAC)
内閣府が発表した、令和4年度の国民生活に関する世論調査によると、日常生活で悩みや不安を「感じている」と回答した人の割合が78%でした。内容としては、「老後の生活設計」や「自分の健康」、「今後の収入や資産の見通し」などが多く、快適な暮らしができるようになった一方、精神的な不安を抱えている人も多くいます。世界33ヵ国語で翻訳された『考えすぎない練習』によると、悩みや不安の根本原因は「考えすぎ」にあるとのこと。物事に良いも悪いもないため、考えすぎる必要はないとのことで――。

物事に良いも悪いもない

物事に良いも悪いもないこの言葉を理解するのに役立つ例え話を紹介します。

ピアノには88鍵の鍵盤があります。私たちがピアノを見ているとき、何の理由もなく特定の鍵盤を指して、その鍵盤が「間違っている」とは言いません。

特定の鍵盤が「間違っている」と考えるのは、誰かがある曲を演奏していて、その曲に含まれない音の鍵盤を弾いたときだけです。

そもそもピアノに間違った鍵盤などありません。続けて演奏されているときに、より心地よく聞こえたり聞こえなかったりする鍵盤や音色があるだけです。

ピアノに間違った鍵盤がないように、人生に間違った決断はありません。私たちを心地よい気分にさせたり、不快な気分にさせたりする思考があるだけです。

私たちが物事を正しいか間違っているか、良いか悪いかというバケツに入れるとき、人生に二元性や条件を生み出し、それが私たちの感じ方を左右するようになるのです。