語り継がれる人

裕次郎さんは俳優も歌手も本業ではなく、遊びでやっていたような感じでした。
それだけに、プロとしてのストイックさはなかった。あくまでも自由で、好きなお酒も飲みたいだけ飲んでいたし…。

人を楽しくさせるのはとても好きだったんでしょうね。裕次郎さんといるととにかく楽しくなるんですよ。それも天性のものだったのかなあ。まさに太陽そのものでした。あの年代で、アロハやTシャツと短パンが似合う人はいませんよね。

雑誌に掲載された豪華対談(写真提供◎五木さん)

俳優であり歌手であった石原裕次郎さんは、そのどちらもが超一流でした。日本では本当に珍しい。女性では美空ひばりさんがそうですね。
どちらも52歳というあまりにも早い旅立ちでしたが…。
僕は昭和の2大スターと言われたら、ひばりさんと裕次郎さんを挙げています。

外国のアーティストも、エルヴィス・プレスリー42歳、ホイットニー・ヒューストン48歳、マイケル・ジャクソン50歳と、若くして亡くなっています。ジェームズ・ディーンなんて20代ですからね。
語り継がれる人というのは、そういう運命なんですかね…。寂しいですね。

でも、僕はこうなったからには、森繁久彌さんを目指します。がんばります。(笑)

※次回は「五木ひろしが語る~~昭和歌謡史(9)」をお届けします。

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