今年1月1日、経済評論家の山崎元さんが、食道がんで亡くなりました。楽天証券経済研究所客員研究員として、経済に関する情報発信に尽力されていた山崎さん。闘病中に息子さんを含めた若者へ向けて、「お金と人生、幸せについて大事なこと」を書き下ろしました。そのなかで山崎さんは、「お金には、誤解しやすい罠や誤った俗説が多々存在している」と言っていて――。
お金の問題は感情を排して理屈と計算で考える
手持ちのお金を増やすための資産運用をはじめとして、お金の問題には誤解しやすい罠や、誤った俗説が多々存在している。
誤解が存在する主な理由は、お金の問題は人間の「感情」に働きかけやすいので、本来、論理や計算で処理されるべき問題の答えを間違えやすいこと(行動経済学的理由)と、金融ビジネス業界が自ら儲けるために流している誤解や俗説の影響が方々に存在すること(ビジネス的理由)の主に二つだ。
他人の話を真に受けたり、ビジネスに影響された書籍や記事の影響を受けたりすると、お金の扱い方で間違いを犯しやすくなる。
一つひとつの問題に直面した時に、自分の頭を使って論理と計算で解決することが肝心だ。お金の問題は、金額で正否が評価できるので正解を確認することが比較的簡単だ。