「老いには老いの恵み」がある
不幸なこと、うまくいかないことを認めると、それに負けていない状況に幸福を感じるのでしょう。
以前、作家の渡辺淳一さんが、ある本の中で、「最近は朝、おしっこが気持ちよくほとばしり出ただけで幸せになれる」と書いていましたが、こうしたことで幸福を味わえることこそ、年を重ねた人間の特権かもしれません。
年をとると幸せを感じるハードルがしだいに下がってくるということは、年を重ねるにつれて幸福になりやすくなるわけで、「老いには老いの恵み」といえるでしょう。
幸せというのは、正体があるようでないもの。自分で「幸せだ」と思えば、その瞬間に幸せになれるのです。