(イラスト◎大嶋奈都子)
人の名前が出てこない、今何をしようとしていたのか忘れた…… 。「これって認知症のはじまりかも!?」と、不安になることはありませんか?脳は使わないと衰える一方、使えば使うほど活性化します。脳のはたらきは5つに分けられ、それぞれを効果的に刺激することが大切。1万人以上を診断した「脳の名医」が、脳トレドリルの効能を解説します(イラスト◎大嶋奈都子)

コロナ下で脳が萎縮

私は開頭手術やMRI画像を通じて、多くの患者さんの脳を見てきました。するとここ数年、明らかに脳が萎縮し、血流が悪くなっている方が世代を問わず増えたことに気づいたのです。自粛生活で人と接する機会が失われ運動量も減り、脳への刺激が減少したことが要因でしょう。そこに精神的な閉塞感も加わり、「認知症のはじまりでは?」と来院する方が後を絶ちません。

そうした不安を解消したいと考え、専門医としての知見を詰め込んだドリルを考案しました。

脳のはたらき、すなわち「脳力」とは「短期記憶力」「集中力」「注意力」「基礎思考力」「意欲」の5つに分けられ、これらの力が合わさって「記憶力」と「思考力」が構築されます。見聞きしたことを脳に刻み込んでいく「記憶力」、記憶された情報や知識を結び付けて意思や言動の源とする「思考力」の2つの柱が、認知機能を支えています。

 

5つの能力