空気が読めないAさんに…
リアクションの薄い私を懐柔しようとしたのか、バッグから高級そうなお菓子を取り出し、「昨日デパートで、あなたと車中でいただこうと思ってわざわざ買ってきたの」と勧めてきます。厚意はありがたいものの、空気の読めない困った人だなという第一印象でした。
Aさんはいつも有名ブランドの洋服やバッグを身に着けています。ある日のツアーで雑談中、私と仲良しのBさんがAさんに、「素敵なブローチね、お洋服にとても似合っているわ」と褒めると、Aさんは不機嫌な表情で黙って席を立ち、バスに戻ってしまったのです。
後で私が「さっきはどうしたんですか?」と尋ねると、「私、Bさんが嫌いよ。表面では褒めていても内心では趣味が悪いと思っているに違いない」と言うのです。
私はびっくりしてしまいました。Bさんはさっぱりとした裏表のない人。しかしそれを伝えてもAさんは聞く耳を持たず、彼女の天の鬼な性格に不信感が募りました。
また別の日、ペットの話題になった際、「妹は私と違って犬や猫が大好き。わざわざ公園で捨て猫を拾って室内で飼っているのよ。ばかみたい」と発言。
攻撃的な物言いに動物好きな私はムッとして、「犬や猫はかわいいじゃないですか」とやんわり反論すると、Aさんは黙り込み、しばし不穏な沈黙が流れることになったのです。