(イラスト:すぎやままり)
内閣府による男女60歳以上を対象に行った「令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果」によると、過去1年間に参加した社会活動について、「健康・スポーツ(体操、歩こう会、ゲートボー ル等)」が26.5%と、参加した活動の中では最も高かった。次いで「趣味(俳句、詩吟、陶芸等)」が14.5%という結果に。一方で「活動または参加したものはない」の回答は、41.7%。新しい友人との出会いや、生活に充実感が得られることなど、社会参加活動のメリットは多い。一方で、サークルに所属したものの、人間関係のトラブルに巻き込まれてしまうことも。中西八重さん(仮名・福岡県・無職・72歳)は、趣味で入った歴史サークルを楽しんでいたのに、新しく入ったメンバーのせいで、散々なめにあったそうで――。(イラスト=すぎやままり)

気に入られたのが運の尽き

40歳の時、派遣スタッフとして会社勤めをするだけでは物足りなくなり、老後の楽しみを見つけたいと思い立ちました。とはいえお金のかかる趣味は続かない。新聞の募集欄で気軽に集まれるサークルを探していると、歴史好きの私にぴったりなサークルの案内を発見。お試しで参加できる講演会があったので、参加しました。

歴史の知識には自信があったのに、講師の方のお話を聞いていると、初めて知ることばかり。大満足の内容に、講演後すぐ、正式な会員になることを決めました。

サークルの活動頻度は月1回。有名な講師の先生を招いて行う講演会と、史跡巡りツアーが交互に開催されるというものです。ほかの会員のみなさんも和気藹々としていて、とても居心地のいい会でした。

ツアーではたくさん歩き、おいしいランチをいただく。仕事と並んでこの会に生きがいを覚えていたのです。

ところが入会して3年が経った頃、その和やかだったサークルの雰囲気が一変。すでに会員だった友人に誘われる形で入会してきた、Aさんが原因です。

初めはツアーのバスの車内でも、Aさんとその友人は隣同士に座り話に花を咲かせていましたが、ある時仲違いをしたのか、互いに会っても知らん顔。

Aさんはたまたま空いていた私の隣の席に座ってきて、車中で歴史の説明をしている講師の話を聞かず、いろいろと話しかけてくるのです。歴史の話を聞きたい私はイライラ。