小島住職「自分を責める気持ちはすべて<自分(飼い主さん)が主人公>になっている」(写真提供:Photo AC)
環境省が公開しているパンフレット「ペットの終活ノート」によると、犬の平均寿命は約14.6歳だそう。いつかはやってくる愛犬とのお別れをどのように受けとめればよいのでしょうか。今回は、愛知県岡崎市にある圓福寺住職の小島雅道さんが、ペット供養の際に経験したエピソードとともに、愛犬の最後に私たちができることを紹介します。小島さんいわく、「ペットを亡くされた飼い主さんは、泣きながらお越しになる方がほとんど」だそうで――。

供養の作法

最愛のペットを亡くされた飼い主さんは、圓福寺に泣きながらお越しになる方がほとんどです。

そして、多くの飼い主さんからよく聞くのが、「もうこんなつらい思いは二度としたくない。犬はもう飼えない」という言葉。

こんなに悲しくて苦しいなら、ペットなんて飼わなければよかったと後悔の言葉を口にする方もいます。

そこで、祭壇の前に大切なワンちゃんのご遺体をやさしく寝かせていただき、葬儀の前にお話をします。

大切な家族を亡くされたのですから、悲しくて、つらくて、寂しいのは当然です。「もっと何かしてあげられることがあったのではないか」と自分を責める気持ちもわかります。

でも、その思いをまず横に置くということを説明します。

なぜかというと、自分が寂しく悲しく、つらく、苦しい。この4つの想いや、自分を責める気持ちはすべて“自分(飼い主さん)が主人公”になっています。