みんなで歌えば、優しいうたになる

いろいろな人の力を結集させて、ついに11月22日に再スタートのテープが切られる。当分は、マスク着用、定員の半分以下、入れ替え制でのスタートだがすでに予約は続々と入っているという。

「再スタートにあたって歌集をリニューアルしたんです」と齊藤さん。これまでは緑の歌集と赤の歌集の2本立てだったが、緑の歌集はそのままに、もともと209曲収蔵されていた赤の歌集からリクエストがなかった数曲をカット、新たに90曲をプラスして、青の歌集として生まれ変わった。

再オープンに合わせて歌集も新しくなった

歌声リーダーの清水正美さんは「人気の昭和歌謡がたくさん加わりました。「パプリカ」など新しい歌も入っています。プラスするにあたっては、若いスタッフの意見を聞き、みんなで時間をかけて検討を重ねました。すべてみんなで全部歌ってみて、それから決めたんです」と話す。

その新たな青い歌集の1ページ目を飾るのはケンが作詞作曲した『みんなのメロディー』である。「ベイビーブーの皆さんがプレゼントしてくれた『みんなのメロディー』を、「新生ともしび」のテーマソングとして第1曲目にしました。この歌の中に歌声喫茶の醍醐味が込められています。これからもずっと皆さんと歌っていきたいです」と齊藤さんは話す。

ケンがともしびの為につくった「みんなのメロディー」。次のページは、ベイビーブーにオリジナル曲「こころの旅」の詞を提供している五木寛之氏が手掛けた手掛けた「青年は荒野をめざす」

オリジナルノンアルカクテルもできた。下のほうに沈んだ赤いシロップの上に青いソーダが浮いている。これは歌集が赤から青に変わったことを表しているという。ベイビーブーのメンバーはこの日初めて試飲。「おいしい!!」と評判は上々だ。

私たちの生活を一変させた新型コロナウイルス。「みんなで声を揃えて歌を歌う」というただそれだけのことさえ、ままならない日々が続いた。しかし、私たちは少しずつ共存する術を探ってきた。2年の時を経て再生する「歌声喫茶ともしび」。高田馬場は待ち望んでいたファンの聖地となるだろう。

ベイビーブーもまたクリスマスコンサートを始め、さまざまなライブで歌声を届けながら、ともしびに、また通えると喜んでいる。

その原点は、みんなで声を揃えて歌うこと。みんなで歌えば、優しいうたになるから……。

齊藤店長とベイビーブーで決めポーズを