「うっせえわ」を聞く娘たちには

自分では怖い父親のつもりでいますけど、結局みんなあんまり言うこと聞かない(笑)。だから、実は甘いのかもしれないです。

うちは大家族でお米の消費量がすごいので、宅配してもらってるんですけど、お米が届いても、玄関に置きっぱなし。「なんで自発的にやらないのかな~?」って毎度イライラします。「おい運ぶぞー!」って言ったら手伝ってくれますけど。

本インタビューは、発売中の『婦人公論』2021年4月13日号に掲載されている

僕が子どもたちに口うるさく言っているのは、「挨拶をする」「約束を守る」「嘘をつかない」ことくらい。あ、あと「電気消す」も。「嘘をつかない」は、「自分に対して」という意味です。嘘も方便で、時には嘘をつくことが優しさだったりする瞬間もありますよね。でも自分だけはだませないし、帳尻が合わなくなると思うので。

子どもたちとは、同じゲームをしたり、漫画を読んだり、音楽を聴いたりして、共通の話題を持つよう心掛けています。コミュニケーションの一環と言い訳しつつ、同じものに触れていたいというか。好きじゃなければ「どこがいいのこれ?」とか、つい言ってしまいますが。

最近では中1の長女が、今流行っている「うっせえわ」って曲や、びっくりするタイトルの曲を聴いてるんですよ。初めは、おいおい、と思いましたが、僕も海外のヘビメタ好きでしたから、あれを翻訳したらすごく病んだ歌詞だっただろうな、と。だから「こんな音楽聴くな」とかは絶対に言わないですね。末の幼稚園の娘が「うっせえわ」を口ずさんでいるのは悩ましいですが。

夫婦間で特に約束はしていませんが、どちらかが叱ってる時はどちらかがフォローに回る。一番下の娘をベタ可愛がりしてたら、わがまま放題になっちゃって、妻が最近よく叱るんですけど、そんな時は僕がかばってみたり。

中1の長女はまだ思春期も反抗期も来ないんですが、小5の次女が追い越したみたいで、「あーもうっ! 私、思春期っ」とか不機嫌そうに言ってくる。思春期の人、自分で思春期って言う? って、ツッコミたい気持ちになりますよ。そんな調子で、大変ですが面白い。