舞台からエネルギーをもらって
今回朝の帯番組の司会を引き受けるにあたって、舞台はできなくなるのかなという不安はありました。50歳になったら何らかの帯番組に携われたらなと漠然と思っていましたが、2年早くお話をいただいた感じです。
でも慣れてきたら、9時50分に番組が終わって、反省会をしたらその後、12時くらいの稽古と昼公演には間に合うかも? と考えたりしていて。もちろん、しばらくは新番組に集中し、精一杯やりたいと思っています。
10年間務めた『王様のブランチ』の司会を卒業した時は、40代は舞台ができると思って嬉しかった。舞台は一つの演技を繰り返しできて、毎回客席の反応もいただけるから引き出しが増える。そこで貯め込んだものを映画やドラマの役作りに活かすことができます。
2020年12月から21年1月は宮本亞門さん演出の『チョコレートドーナツ』に出演させていただきました。東山紀之さんの演じるルディがとにかくぴったりで素晴らしくて、本当にいい舞台になったんです。子どもたちは僕のテレビの仕事は観ていないみたいですけど、長男、長女、次女が舞台を観に来てくれました。
そう言えば、家族が来てくれた日に、劇場の出演者出口で車に乗り込もうとしたんです。そうしたらちょうど観劇終わりのお客様とすれ違って、「今日、谷原章介めっちゃセリフ噛んでたね」って言ってるのが聞こえたんですよ。思わず「確かに噛んでた、ごめん」って(笑)。
生の声に、時に傷つくこともありますが、やっぱり舞台はいい。拍手や熱気がダイレクトにこちら側に伝わりますから。エネルギーはすごく出ていきますが、同時にもらえるものがとてもたくさんあるんです。