「生の声に、時に傷つくこともありますが、やっぱり舞台はいい。拍手や熱気がダイレクトにこちら側に伝わりますから」

忙しく働き続けることが性に合っている

僕は外見上からか、何でもスマートにこなしているように見えるのかもしれませんが、水の下では水鳥のごとく、足をバタバタさせています。

昔、ある女優さんとご一緒した時に、「谷原さん、これ終わったらどんなお仕事するの?」って聞かれたことがありました。若い頃に仕事がもらえなくて悩んだ時期もあるので、「またすぐに撮影があります」とお話ししたら「そんなに働かされてかわいそう! 私はこの仕事が終わったら絶対休むよ」って同情されたんです。

僕はびっくりして、そんな考え方もあるのか、と。忙しく働き続けることが性に合っているのでしょうね。

なんせ僕は1972年生まれの団塊ジュニア世代で、中学の時は14クラス、高校の時は11クラスもあって、とにかく競争にさらされてきましたから。どうしたら抜きん出ることができるか? と考える癖がついているのかもしれません。

ゆとり世代の人たちって、和気あいあいとしていて仲間思い。それを昔は「甘いんじゃない?」なんて思ってたんですけど、世代から来る生き方の違いだと最近は感じますね。競争! 競争! とやりすぎると、勝ったはいいけど最後は一人になってた、てことになりかねないので、彼らの生き方も尊重すべきものがあるなあと。