損する話に気をつけて。投資教育は必要
荻原 樋口さんに初めてお会いしたのは1996年。ある雑誌での対談でしたね。
樋口 わっ、もう28年も前!
萩原 住宅金融専門会社の不良債権処理のために、6850億円の公的資金の投入が国会で審議された。私たち、怒りながら語り合いました。
樋口 荻原さんは忌憚なく政府を批判するし、しかも、わかりやすい言葉で説明してくださるので、いい経済評論家が出てきたなと心強く思いました。
荻原 ありがとうございます。そもそも私の仕事の原点は、祖父母の人生にあります。祖父母は人生で2回、破綻を経験していて。1回目は1930年の昭和恐慌で銀行が倒産し、爪に火を灯すようにして貯めた全財産を失った。もう銀行は信じられない、国の事業なら大丈夫だろうと、今度は満鉄(南満洲鉄道)の株を買ったんです。
樋口 ありゃ~。
荻原 祖父は96歳で亡くなりましたが、死ぬ間際に「俺にはすごい財産があるので、喧嘩にならないように」と言い残して。没後、祖父が大事にしていたをあけたら、山のように満鉄の株券が……。
樋口 キャッ!