「私たちは死ぬまで納税者ですから、国がどうお金を使うかに意見を言うのは当たり前のことなんです」(樋口さん)

荻原 戦争に翻弄されたうえに、祖父の全財産が紙くずになった。それを見たうちの父は、国は信じられない、と。その精神が叩き込まれたんでしょうね。

樋口 だまされないよう、しっかり見ていなければ、と思われたのね。

荻原 はい。住専の問題について樋口さんは、「つつましく暮らしている私たちの懐に手を突っ込んでお金を持っていくのが許せない」とおっしゃいました。

樋口 そういう政府のやり方は今も変わらない。格差はむしろひどくなり、私たちの税金の使い道も納得できない。

荻原 今は老人からも取ろうとしています。投資に誘い込んで。

樋口 貯金を引っ張り出したいんでしょうね。

荻原 でも、今の高齢者は投資教育を受けていません。今年は「新NISA」なども始まりましたが、言いなりで手を出すのは危険です。

樋口 そうやって情報を発信してくださる方がいるのは、とてもよいことだと思っています。やはり経済は大事ですから。とくに女性は男性より平均寿命が長いので、きちんと専門家の意見に耳を傾けて、損する話には引っかからないようにしないと。

そして、私たちは死ぬまで納税者ですから、国がどうお金を使うかに意見を言うのは当たり前のことなんです。