チャレンジの連続
振り返ってみれば、これまでの人生、チャレンジの連続でした。
私が生まれたのは昭和22年。戦後まもない頃だったからか、女に学問は必要ない、という母の考えから学校に行きたくても行けませんでした。
それでも学びたい気持ちは止められず、仕事をしながら自分で学費を貯め、20代で高校、40代で短大、さらに放送大学を卒業し、教授との共同論文は学会でも発表していただきました。
その間には、乳がんを患い、手術をしてしばらくしたら卵巣や子宮への転移がわかり、金銭的に主人へ迷惑がかかると離婚を考えたことも。
また、30年以上勤めた会社を64歳で辞めてからは、膝の手術をしたり、主人が肺がんになったり、兄の介護をしたり……。自分と身内の病院に行ったり来たりする毎日でした。
一方で、暇に耐えられない性分ゆえ、ちょっと膝の調子がよくなるとすぐに外へ出かけたくなり、縁があって高齢者劇団に参加して。その過程で、NSCの存在を知ったのです。
こうしてつらつらと並べてみると、ずいぶん波乱万丈に見えるかもしれません。でも、私自身はずっと、「自分には何もない」と思って生きてきました。
だから、まさか人生の終盤に差しかかり、ここまで慌ただしくも楽しい日々を送ることになるとは予想外でした。年のせいとあきらめず、やりたいことに挑戦したご褒美でしょうか。
いや、“年だから”できたんでしょうね。