記憶障害に始まりゆっくり進行する
「アルツハイマー型認知症」
日本人の認知症全体の約6割以上を占める代表的な認知症で、アルツハイマー病によって発症します。
アルツハイマー病の原因はまだわかっていませんが、「アミロイドβ」という特殊なたんぱく質が、長い年月をかけて脳内にたまり、さらに神経細胞内のタウたんぱく質も変性を起こすことによって、神経細胞が破壊され、脳が萎縮するのではないかと考えられています。
とくに、短期記憶をつかさどる「海馬」の萎縮が目立つのが特徴です。そのため、最初に現れるのは記憶障害が一般的だと言われますが、まれに言語障害から始まる人もいます。
進行はゆっくりで、発症する20年以上前からアミロイドβの蓄積が始まるとも言われます。
進行を遅らせる認可薬はありますし、最近では毒性を持ったアミロイドβたんぱく質を分解する新しい薬剤も開発されていますが、根本的な予防法や治療薬は今のところありません。