時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは富山県の50代の方からのお便り。高校時代の友人が再婚したとの知らせに、複雑な思いが――。
再婚のリスク
高校時分の友人から、再婚したとの連絡がきた。
昨今の離婚した50代女性の再婚率は、約15%だという。先があるようなないような、中途半端な年齢。自分のために生きたい、しかしながらまだ子どもが学生だったり、親に介護が必要だったりして、どうにも思うようにいかない年代だ。
再婚したい気持ちはあるがなかなか踏み切れない人も、残りの85%のなかにはたくさんいるのではないだろうか。
そういったしがらみすべてを振り切って、再婚に踏み切った友人。住み慣れた土地を離れ、関西へ引っ越す。そこには運命の人と、その人の高齢の母親との3人の新婚生活が待っているという……。いやいや、親と同居!?と言いそうになったが、なんとかこらえた。
私自身、実の親の介護をしている最中で、かなり大変な思いをしている。「仕方がない/自分を育てた/親だから」などと五七調の思いを標語に踏ん張っているところだ。だから、そう遠くない未来、義母の介護を担うリスクが高い再婚をした彼女の決断には驚いた。
彼女自身の親はまだ元気とはいえ後期高齢者。離婚した時は子連れで実家に戻り、「子育ては母に任せた」と豪語していた。それだけ世話になった肉親の将来のことは気にせず、再婚相手の親との同居を選んだのか。
どこまでも自分自身のためにアクションを起こせた彼女の思い切りのよさには敬服する。「自分の人生、好きなように生きよう!」とはいうものの、しがらみという鎖は重くて、なかなか飛べるものではないだろう。
自分の選択に責任が取れる年齢だからこそ、決断するなら今、なのかもしれない。