充実した環境

女性に学問研究の機会を平等に用意し、男尊女卑を打破し、女性の人格を尊重して社会的な地位を改善する。

そして、女性が社会の中で活動し、自身の手で運命を開拓する。

このような理念を掲げる学校で学んだことが、その後の嘉子の人生に大きな影響を与えたことは間違いないでしょう。

多様な法学科目が配置され、一流の講師がそろい、充実した環境でした。

この明大女子部の第1回生には、後に明大女子部の教員として働くことになる立石芳枝や高窪静江もいました。

※本稿は、『三淵嘉子 先駆者であり続けた女性法曹の物語』(日本能率協会マネジメントセンター)の一部を再編集したものです。

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三淵嘉子 先駆者であり続けた女性法曹の物語』(著:神野潔/日本能率協会マネジメントセンター)

2024年度・前期連続テレビ小説「虎に翼」のモデルは、日本初の女性弁護士の一人であり、初の女性判事及び家庭裁判所長・三淵嘉子(みぶち・よしこ:主演・伊藤沙莉、脚本・吉田恵里香)。

本書では、三淵嘉子の生誕から晩年までの生涯と、嘉子とともに歩んだ家族、友人、同僚たちについて紹介する。

嘉子が生涯を賭して成し遂げたかったこととは何だったのか。

「女性活躍」が求められる今にあって、その先駆者の生涯が今、明らかになる。