嘉子は現在のお茶の水女子大附属高校で楽しい青春を送り――(写真提供:Photo AC)
24年4月より放送中のNHK連続テレビ小説『虎に翼』。伊藤沙莉さん演じる主人公・猪爪寅子のモデルは、日本初の女性弁護士・三淵嘉子さんです。先駆者であり続けた彼女が人生を賭けて成し遂げようとしたこととは?当連載にて東京理科大学・神野潔先生がその生涯を辿ります。先生いわく「嘉子は現在のお茶の水女子大附属高校に入学した」そうで――。

東京女高師附属高女に進学

1927(昭和2)年、嘉子は東京女子高等師範学校附属高等女学校(現在のお茶の水女子大附属高校)に入学しました。

東京女子高等師範学校は、1874(明治7)年に設立された東京女子師範学校をルーツとする、女子の中等教員養成機関の一つです。

その附属高等女学校は1882年に作られ、嘉子が入学した頃は受験倍率が20倍とも言われて、学力の高い女子にとって憧れの(最高峰の)学校の一つでした。

嘉子は、港区笄町の自宅から、市電・省線(国電)と乗り換えて、お茶の水まで通っていました。