「柔軟な原因推理」は日常の問題解決に役立つ

まず自分で、これ以上は無理というくらいまで考えた後、「他の人は、こんなことを考えましたよ」と、他者の考えをいろいろと呈示する方法です。ここでは、出来事の原因を柔軟に推理するという課題を用いました。

原因推理を問題としたのは、日常の問題解決に役立つからです。

私たちが何か問題に直面し、それを解決しようとする時、まずは、なぜそうした問題が起こったのかという原因をさまざまな面から柔軟に考えてみる必要があります。

たとえば、「いつもと同じようにカレーを作ったのに、今日はおいしくない。なぜだろう?」といった場合に、その原因を「きっと、カレー粉が足りないせいだ」と決めつけたなら、カレー粉をどんどん追加して、いっそうまずくなってしまうかもしれません。

もっと他の原因も考えてみるべきでしょう。たとえば、具材が古かったのかもしれない、鍋を替えたからかもしれない、しばらくカレー料理が続いて飽きてしまったからかもしれない、など。

『メタ認知-あなたの頭はもっとよくなる』(著:三宮真智子/中央公論新社)