「ああ、そんな考えもあったのだな」と

原因を一つしか考えつかなければ、それ以上どうしようもないのですが、他にもいくつか考えつくことができれば、いろいろな対策を講じてみることができます。

他にも、たとえば「サボっているわけではないのに、なぜか成果が上がらない」「規則正しい生活をしているのに、なぜか体調が優れない」といった場合にも、柔軟な原因推理が必要になります。

さて、私たちが行ったのは、問題を次々と変えながら、「まず自分で限界まで考えてみる→他者の考えに触れる→自分の考えを見直す」ということを繰り返すトレーニングです。

まず、実験参加者に対して先ほどのカレー問題のような原因推理問題を出して、できるだけたくさんの原因を各自で考えて書いてもらいます。その後、「他の人はこんな原因を考えました」として、用意した推理例を10例見せました。

参加者はすでに自分の考えを書き終えており、他の人の考えをまねることはできませんが、自分の解答と見比べ、「ああ、そんな考えもあったのだな」と気づくわけです。