「メタ認知」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「メタ」とは「高次の」という意味で、つまり認知(記憶、学習、思考など)を、高い視点からさらに認知することを指します。三宮真智子大阪大学・鳴門教育大学名誉教授によれば「メタ認知は自分の頭の中にいて、冷静で客観的な判断をしてくれる<もうひとりの自分>。活用次第で頭の使い方がグッとよくなる」だそう。先生の著書『メタ認知』をもとにした本連載で、あなたの脳のパフォーマンスを最大限に発揮させる方法を伝授します!
他の人がどんなアイデアを思いついたのか知るのは大切だけれど
ブレインストーミングによって、発想が活性化することは先に述べましたが、グループで行うブレインストーミングでは、グループ全体の発想が豊かになったとしても、個人の発想量の伸びをきちんと把握することはできません。
また、他の人がどんなアイデアを思いついたのかを知ることは大切ですが、先に人の考えを聞いてしまうと、どうしてもそれに影響されてしまい、自分で徹底的に考えることをしにくくなる可能性もあります。
したがって、自分の発想力そのものを高めるためのトレーニングは、やはり個別に行う必要があります。
そこで私たちは、他者の考えに触れる機会を確保しつつ、個人の発想力を高めるトレーニング法を開発しました*1。