余計なものは片づけるに越したことはなさそう

なお、環境には、ここまで述べてきたような、外部からもたらされる環境に加えて、自分で作り出すものもあります。たとえば、机の上の環境です。

机の上が散らかっていると、作業効率は悪くなります。認知的な作業ではありませんが、作業効率を調べた次のような実験があります。

テーブルの上や周辺に雑多なものが置いてある条件(散らかっている)と、必要なもののみが置いてある条件(すっきり片づいている)とで、「(1)クリームと砂糖を入れたコーヒー、(2)クリームだけを入れたコーヒー、をそれぞれ一杯ずつ作る」という作業の中で生じるよどみを調べました。

作業の中で生じるよどみとは、途中で作業をまちがえそうになり、慌てて軌道修正するといったことを指しています。二つの条件を比べた結果、雑多なものが置いてある散らかったテーブルで作業を行った条件で、作業のよどみが多く発生していました*4 。

このことから、やはり作業環境は、すっきりと片づけておいた方がよいことがわかります。頭を使う作業についても、同様のことが言えるでしょうから、余計なものは片づけるに越したことはなさそうです。