『愛石』のこれから

――前回の記事でも触れた、日本中の人が石を求めて河や山に殺到し、創刊のキッカケとなったとされる、かつての「石ブーム」からおよそ60年。「これから」という意味で、考えていらっしゃることは?

私が編集長を引き継いだころには、展示会を定期的に開催する団体が全国に500ほどありましたが、今は300ほどでしょうか。

一団体に10名ほどが所属しているとして、日本全体で「水石」を趣味にしている人の総数は4、5000人と考えています。

その意味で『愛石』読者の占める割合は、かなりのものではあるのですが、趣味にしている方の高齢化が止まらないのが悩みの種です。若い人にも入ってきてほしいと努力しているんですが、なかなか。

――水晶などの「鉱物」は、街の雑貨屋さんで見かけるようになりました。関連書籍も多く刊行され、『BRUTUS』のような一般誌で特集が組まれたりと、出版界隈でも盛り上がりが。なので「水石」も可能性を秘めていそうですが…

そこの棚に「水石」がならんでいますでしょう。

忙しい仕事の合間にふと眺めてみる。すると癒されるというか、不思議と心が落ち着くんですよね。

水石が並んだ編集部の棚(写真:『婦人公論.jp』編集部)

正直なところ、編集長になるまで、全く石に関心はありませんでしたが、今ではとても良い趣味だとつくづく感じています。