もっと遠くにも行けるのではないかと、夢は大きく夫と娘の家族3人での海外旅行を計画することに……(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは滋賀県の80代の方からのお便り。2回の脳卒中で車椅子が手放せない生活となっていましたが、滋賀から東京までの旅が大きな自信になり――。

車椅子でどこまでも

私は80歳の開業助産師です。2020年に2回目の脳卒中を発症し、それからリハビリを続けてきましたが、車椅子が手放せない生活に。

23年3月に、娘の結婚相手とそのご家族との食事会が東京のホテルで開かれました。私は自宅のある滋賀県から、夫とともに車椅子で初めての遠出に挑戦。無事東京まで行くことができたのは、大きな自信となりました。

もしかしたらもっと遠くにも行けるのではないかと思い、夢は大きく夫と娘の家族3人での海外旅行を計画することにしたのです。

少し前に逝った恩人のご家族がカナダに住んでいるので、お会いしたいと考えました。夫は、どうせカナダに行くのだったらカナディアンロッキーへ行きたいと言うのですが、ちょうど山火事があった時期だったので、私はあまり気が進みませんでした。しかし夫の強い意志に負け、ロッキーにも行くことに。

無事にカナダへ到着。なんと素晴らしい自然でしょう。ロッキーも行ってよかった。娘に車椅子を押してもらい、なんの不便も不安もなく旅行ができたことも、大きな喜びです。今までいろいろ海外旅行をしましたが、一番素晴らしい経験となりました。