車椅子も入念に点検し、いざオレゴンへ。修学旅行以来の楽しい旅でした。母もずっとご機嫌でニコニコ笑い、現地の人との交流を楽しんで。帰国後もまったく疲れを見せなかったし、むしろ元気になっている。
私たちはすっかりオレゴンの虜になり、なんとそれから翌年、翌々年も4人でオレゴンを旅しました。(笑)
最後に訪れたのは14年。母は98歳でした。私がチャリティーイベントに出演するためオレゴンへ行くことになったのですが、その企画に携わる友人に「お母さんも連れておいでよ」と言われたんです。そして本人も「行きたい」と。
5年近くの間に母の衰えは進み、ほとんど車椅子での生活になっていましたし、食事も固形物は喉を通りづらくなっていました。でも、母は退屈させると死んでしまうタイプの人だったので(笑)、行ける可能性を探ってみることにしたのです。
まず医師に相談したら、ご家族にその覚悟があるかどうかだと。続いて航空会社に勤める友人に、気圧の変化に耐えられるか相談。現地で病院にかかることを想定して、海外旅行保険だけは単独で入ってね、と助言してくれました。つまり、無理だという見解ではなかったのです。