夫のアドバイスでターバン姿に
私生活では、42歳のとき、11歳上の大蔵省の官僚だった人と見合いで結婚しました。私が若いころは見合い結婚が主流。20代は仲人さんからたくさん縁談が舞い込んできましたが、優秀な男性は異口同音に、「結婚したら仕事はやめてくれますね?」。
学校とお店の二足のわらじを履こうとしているのに、そんな縁談は受けられません。そうこうしているうちに、当時としては婚期を逸したわけです。
40歳になったとき、このまま誰とも縁がないまま終わるのは寂しいと思って仲人さんに相談したところ、白羽の矢が立ったのが夫となった人でした。見合いの場所はホテルオークラ。仲人さんからは、着物を着ていくようにと言われました。それが当時の常識だったんです。
後に夫から、「ファッションデザイナーと会えると思って勢い込んで行ったのに、着物姿の女が現れて……」と言われました。形にとらわれない感覚の人だから、感性が合ったのだと思います。
あるとき、夫がこう言いました。「黒柳徹子さんはタマネギ頭がトレードマークになっている。君も髪形を決めて、誰が見ても桂由美だとわかるようにしたら?」。いいアドバイスですよね。
そこで思いついたのが、ターバンです。帽子デザイナーの第一人者だった平田暁夫さんにお願いしてターバンをデザインしてもらい、以降、トレードマークにしました。