まだまだ新しいことに取り組みたい
81年、アメリカの市場に向けて日本製品をアピールするイベントに参加することになりました。そのときに生み出したのが、着物のお引きずりから着想した「ユミライン」のドレスです。
当時日本では女性の結婚年齢は20代が主流でしたが、アメリカでは40代、50代で結婚し、式を挙げる人もいます。そういう方は、スカートが大きく膨らんだロマンチックなドレスより、もう少し大人のエレガンスを表現できるドレスのほうがよいのではないか。それを、日本の最高級のシルクで作ってみようと思ったのです。
おかげさまでユミラインは大好評。今も欧米の花嫁の定番ドレスとして、人気のシルエットとなっています。
目下進めているのが、アニバーサリーウェディングの提案です。結婚40年のルビー婚式や、45年のサファイア婚式、50年の金婚式など節目となる年に、子や孫、親しい人をお招きしてパーティをすると、いい記念になるのではないでしょうか。
最近は結婚しない若者が増えていますし、結婚しても式を挙げない人も多いですよね。でも若い人も、親や祖父母のアニバーサリーパーティに出たことで、自分も早く結婚したい、式を挙げてみんなに祝福してもらいたいと感じるみたいです。
私は戦争中、本当に紙一重のところで命を保つことができました。だったら、精いっぱい生き切らないと申し訳ありません。まだまだ、やりたいことやアイデアがあります。命が続く限り、新たなチャレンジを続けていきたいですね。