投資で陥りがちなこと

でも増えること、増やすこと自体が目的になってしまいがちなのも事実。

うまくいってる時に全部売って預金に戻すなんて、実はなかなかできることじゃないんだよね。

僕も証券会社の営業マン時代に、そういうお客さんをたくさん見てきた。常に「次に儲かるものは何?」って感じ。

僕が証券営業をやってたのはもう30年も前だから今はまったく違うんだけど、当時のお客さんは皆「儲ける」という言葉を使った。

「今度は損した。次は儲けるぞ」という具合にね。

僕らは今、「儲ける」という言葉とは真逆な投資について考えているよね。

でも当時、株や投資信託は余裕資金を使って「儲ける」ためにやるものであって、将来自分で人生のハンドルを握っているために、あえて嫌いなリスクを取るのだ――なんてことを考える人は多くなかったと思う。

※本稿は、『投資信託業界歴30年の父親が娘とその夫に伝える資産形成の本音の話』(星海社)の一部を再編集したものです。

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投資信託業界歴30年の父親が娘とその夫に伝える資産形成の本音の話』(著:今福啓之/星海社)

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