(写真提供:Photo AC)
2024年1月から新NISAがスタートし、「投資に興味がある」「知識を深めたい」と思っている人も多いはず。しかし、日興アセットマネジメントの今福啓之さんは「運用を始めるだけで何かすごいことが起こるという期待は違う」と話します。そこで今回は、今福さんの2人の娘とそれぞれの夫に向けて書いた、資産形成の大切な考え方を自著『投資信託業界歴30年の父親が娘とその夫に伝える資産形成の本音の話』から、一部引用、再編集してお届けします。

「以上、終わり!」な本質は?

最初に結論を言っておく。

それは運用を始めるだけで何かすごいことが起こるという期待は違うよ、ということ。

最近NISA(少額投資非課税制度)だ資産運用だと盛り上がっていて、30年この業界にいる僕からするとありがたくはあるんだけど、大事なことはただひとつで、単に「毎月どれだけ大きな金額を天引きできるか」に尽きるんだよね。

つまり、別に運用じゃなく天引きの積立定期預金でいいわけ。

「天引き」とは、給料が振り込まれたらすぐ自動的に引き落として別のところに移動すること。今は「積み立て」と言った方がわかるかな。

もし君たち2人の家計で毎月10万円の天引きを20年続けられたなら、まぁお金のことで不幸になることはないと思う。

だって1人5万円、2人で10万円の天引きってことは、12ヵ月で年120万円だよね。

2人ともボーナスはあるから年15万円ずつ出し合って2人でプラス年30万円を加えたとしたら1年で150万円の貯蓄ってことだよね。それを20年ずっと続けたら?

150万円×20年=3000万円でしょ。

今から20年後ってことはまだ40代半ば。40代半ばの君たちが3000万円持ってたらどうよ?

もし、1人10万円ずつの2人で20万円できるとしたら、年240万円だよね。

そこにボーナスで30万円ずつ2人でプラス60万円オンできたら年300万円だよね。

その20年ってことは6000万円ですよ。40代半ばで6000万円。スッゴイよね。

「以上、終わり!」なの。本質的には。