(写真提供:Photo AC)
2024年1月から新NISAがスタートし、「投資に興味がある」「知識を深めたい」と思っている人も多いはず。しかし、日興アセットマネジメントの今福啓之さんは「運用を始めるだけで何かすごいことが起こるという期待は違う」と話します。そこで今回は、今福さんの2人の娘とそれぞれの夫に向けて書いた、資産形成の大切な考え方を自著『投資信託業界歴30年の父親が娘とその夫に伝える資産形成の本音の話』から、一部引用、再編集してお届けします。

「応援したい会社か」どうかは実は重要でない

君たちもそうかもしれないが、今はエシカル(ethical/倫理的)な消費が若い人を中心に増えているようだよね。

テレビでもやたら「サステナブル!」って騒ぎ立てている。

投資の世界でも、以前から「応援したい企業に投資しましょう」とか「あなたの投資がその企業を良くし、ひいては世の中を良くします」みたいなことを言う人や運用会社はあった。

でも僕はそういうのにとても違和感を覚える。

株式の原理原則として君たちに持ってもらいたいのは、「企業を応援」と「自分の投資のリターン」はまったく関係ないというクールな理解だ。

そもそも僕たちがある企業の株を買ったところで、そのお金はその企業に行かないからね。売った人に行くだけです。直接的な応援にはならない。