2024年1月から新NISAがスタートし、「投資に興味がある」「知識を深めたい」と思っている人も多いはず。しかし、日興アセットマネジメントの今福啓之さんは「運用を始めるだけで何かすごいことが起こるという期待は違う」と話します。そこで今回は、今福さんの2人の娘とそれぞれの夫に向けて書いた、資産形成の大切な考え方を自著『投資信託業界歴30年の父親が娘とその夫に伝える資産形成の本音の話』から、一部引用、再編集してお届けします。
長期投資は何のため?
長期投資は目的でも決まりごとでもない。目標金額が達成できたら、さっさとやめればいいんだ。
それでも皆が「長期投資を」と言うのはなぜなんだろう。
それは「長期で持てば複利効果という魔法の力が働くから」などではなくて、「長期で構えることでうまく行く可能性が高まることが、過去の経験で知られているから」程度の理由なんだよね。
身もフタもない言い方で悪いけど、多分大きくは間違ってないと思う。
もう少し丁寧に説明するなら、うまく行く可能性、蓋然性が高い理由は大きく2つあると思う。
理由その1は「長い時間がないと、そもそも投資資産自体が成長できないから」という本質論。
そして理由その2は「長い時間で構えると多少のタイミングの間違いが『結果オーライ』になりやすいから」という経験則だ。