2024年3月20日、学習院大学をご卒業された愛子さまは、内親王殿下としては珍しい袴姿で式に臨まれた。進学や留学など研究の道へ進まれると予想する声もあったが、4月1日から日本赤十字社の嘱託職員として勤務されている。成長に寄り添ってこられた天皇皇后両陛下、そして愛子さまのお気持ちとは。写真とともに、皇室取材を重ねてきたジャーナリストが振り返る
春風とともに「就職」の道へ
天皇皇后両陛下の長女・敬宮(としのみや)愛子内親王殿下は社会人としての一歩を踏み出された。日本赤十字社の嘱託職員として〈日頃から関心を寄せている日赤の仕事に携われることをうれしく思う〉(愛子さまの就職内定を受けてのお気持ち)というご希望を抱かれて、ご自身で選択した道だった。
23年秋頃から日赤という具体的な就職先を心に決められたところ、両陛下も「とてもいい考えではないか」と背中を押されたというが、愛子さまの「福祉」に対する思いは幼い頃から自然と育まれたものだった。
学習院大学日本語日本文学科の授業でも「福祉」を履修なさり、この就職に仕事としても皇族のご活動としても活かせる接点を見出されたのだろう。
3月20日に迎えられた大学の卒業式で、愛子さまは生きいきとしたご表情だった。桜色の花模様の本振り袖と紺色の袴姿。内親王殿下が袴をお召しになるのは珍しく、紀宮内親王(黒田清子さん)や秋篠宮眞子内親王(小室眞子さん)、佳子内親王も、大学を卒業なさった時は洋装だった。
意外な装いに記者団も驚きを隠せなかったが、袴姿はお友だちと合わせたいという愛子さまのご希望で、髪飾りは桜を模った、春らしいものだった。