認知症は、その人を責めない。指導や説得ではなく、ともに歩む。

介護は、まず健康なころのその人を良く知ることです。

加えて、それぞれの病気による特徴を頼りに、発病からの経過や病気の進行度を考え、その人に残されている身体能力や知的能力、精神状態を考察し、今までの暮らしに役立つ力を探り、再び実用できるように本人と一緒に努力をします。

『93歳、支えあって生きていく。』(著:細井恵美子/Gakken)

病気の発見が早ければ、時に症状の回復も見られるようです。

適切なサポートを受けずに経過した場合、神経細胞や伝達機能の障害部位によって、あるいはその範囲によっては回復が難しく、症状を進行させてしまいます。

なにより大切なことは、症状はその人の変化でなく、“病気がそうさせている”ということを理解し、その人を責めないことです。

今まで通りに寄り添い、リズミカルなやさしい刺激を、持続的に送り続けること。

体操、散歩、手慣れた軽作業などで体を動かし、その人が日ごろ大切にしている思い出話などで場を盛り上げ、脳の活性化を図ります。

絵や習字、手芸、計算、スポーツなどを得意とする人もいます。

その人の文化的な生活体験を介護に生かし、やりたいこと、やれそうなことを見つけて実践してみましょう。

完成できると達成感が共有でき、信頼関係も深まります。