「今」を精一杯楽しみたい
今は毎日が本当に楽しいので、このままの生活がずっと続いていったらいいなぁって思います。でも、それは無理な話でしょう。
舞台に立てないときが、いつか必ずやって来ます。だからこそ、「今」を精一杯楽しみたい。
楽しむだけ楽しんでおけば、この先、もし寝たきりになっても、「あのときは楽しかったなぁ」と幸せな気持ちになれるでしょう。
還暦過ぎて「夫のため」とか「家族のため」に自分を犠牲にして我慢して生きたところで、何一ついいことはありません。少なくとも、私はそんなのまっぴらです。
70代で芸人になった私を見て、80歳の親戚が「私もやろうかしら」と言ってくれたり、60代でピアノの先生を引退した知人が「もう1度やってみるわ」と仕事に復帰したり。
自分としては、すごいことをしてきたつもりはありませんが、私の姿が少しでも同世代の励みになっているなら嬉しいです。
人生は最後まで何が起きるかわかりません。私だって、こんな70代が待っているなんて夢にも思っていませんでした。
でも、いくつになっても、やりたいことをやっていれば何らか楽しい結果がついてくる。人様に迷惑をかけない範囲で、これからも自分のやりたいことをどんどんやっていきたいと思っています。
『ひまができ 今日も楽しい 生きがいを - 77歳 後期高齢者 芸歴5年 芸名・おばあちゃん』(著:おばあちゃん/ヨシモトブックス)
71歳でひょんなことから吉本興業の芸人養成所(NSC)に入り72歳で芸人デビューした、その名も「おばあちゃん」。
――おばあちゃんはなぜ芸人になったの? そして、なんでそんなに楽しそうなの? クスっと笑えるエピソードやホロリとくる昔話までたくさん語ってくれました。